覚書 メモ

自分のための備忘録です。

ダイアリーノート 20030303

2003年6月3日
中学のときの英語の教科書は、トータルイングリッシュという名前だった。
ビンセントという男の子や、スタニスラスというソ連の男の子が出てくるやつ。

その中に、「ミス・ブリル」という短編が載っていたのだけれど、未だに何故こんな皮肉な話が中学の英語の教科書に掲載されたのか、よくわからない。
とにかく皮肉な話。
とことん皮肉。
オールドミスの年配女性が、お気に入りの毛皮の襟巻きを身につけて、公園のベンチで座りながら幸福な気分を味わっているのだけれど、心無い若者達の言葉に深く傷つくといった話だったと思う。
中学生の皆さん、お年寄りには丁寧に接しましょう、という意味で選ばれた?
いやいや。そんなことも無いと思う。
先日、あまりに引き籠りすぎても風邪に良くないかなぁと思って、近所を散歩して、ベンチに座っていたら、ふとこの話を思い出した。

二十歳ぐらいになって、マンスフィールド短編集「園遊会」というのを読んでいて、このミス・ブリルを見つけた。
改めて読み直してみて、やっぱり皮肉な話だった(笑)

マンスフィールドの作品はどれもナイーブすぎるぐらいナイーブなのだけれど、でも表題作の「園遊会」はそのナイーブさが良い方向に結実されていて、とても良かったと思う。
「初老」となった私の感性には、どう反応するだろう?
また読み返してみたい。